事業を始める・続けるには、まとまった資金が要る場面があります。設備投資、仕入れ、運転資金——自己資金だけでは足りないとき、頼りになるのが事業融資です。
ただ、ひと口に「融資」といっても、日本政策金融公庫・銀行/信用金庫・制度融資・オンライン融資では、金利もスピードも審査の通りやすさもまったく違います。選び方を間違えると、金利で損をしたり、必要なタイミングに間に合わなかったりします。
この記事は、個人事業主・中小企業が使える事業融資を4タイプに整理して比較し、創業期や赤字でも狙える融資、審査を通すコツ、そして融資が間に合わない時の選択肢までまとめます。
💡 この記事の結論(4タイプの使い分け)
- 創業期・低金利で借りたい → 日本政策金融公庫(新規開業・スタートアップ支援資金。無担保・無保証も相談可)
- 実績があり大きな額・好条件 → 銀行・信用金庫(審査は厳しめだが金利は低め)
- 創業者が保証付きで地域で → 制度融資(自治体+信用保証協会+金融機関の連携)
- とにかく速い・来店せず → オンライン融資・ビジネスローン(金利は高めだが最短即日〜数日)
公庫・銀行系は低金利だが着金まで数週間〜かかる。今日・今週必要なら、オンライン融資かファクタリング(後述)が現実的です。
事業融資の主な4タイプ
① 日本政策金融公庫(政府系・創業融資に強い)
政府系金融機関で、創業期の資金調達の定番。かつての「新創業融資制度」は2024年3月末で廃止され、現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」に一本化されています。新たに事業を始める方や開業後おおむね7年以内が対象で、原則無担保・無保証人(代表者の個人保証も不要)、自己資金要件も撤廃されました。融資限度額は最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)。金利は民間より低めですが、申込から着金まで3週間〜1か月半程度かかります。
② 銀行・信用金庫(プロパー融資)
民間金融機関が自らのリスクで貸す融資。金利は低めで大きな額にも対応しますが、審査は厳しく、創業間もない事業者にはハードルが高い傾向。決算実績や取引関係が重視されます。地域密着の信用金庫は、小規模事業者の相談に応じやすい面があります。
③ 制度融資(自治体+信用保証協会+金融機関)
自治体・信用保証協会・金融機関の3者が連携する融資。信用保証協会が保証に入るため、実績の浅い創業者でも金融機関が貸しやすくなります。多くの自治体が創業者向けメニューを用意し、利子補給などの優遇がある場合も。ただし関係者が多く、実行まで1〜2か月程度と時間がかかり、保証料が別途必要です。
④ オンライン融資・ビジネスローン(スピード重視)
銀行やノンバンクが提供するオンライン完結型の事業者向け融資。来店不要・最短即日〜数日で、急ぎのつなぎ資金に向きます。公庫や銀行プロパーに比べ金利は高めで上限金利も上がりやすいのが特徴。スピードと手軽さを、金利で買うイメージです。
4タイプ比較表
| 項目 | 公庫 | 銀行・信金 | 制度融資 | オンライン融資 |
|---|---|---|---|---|
| 金利の傾向 | 低め | 低〜中 | 低め+保証料 | 高め(上限が高い) |
| スピード | 3週間〜1.5か月 | 数週間〜 | 1〜2か月 | 最短即日〜数日 |
| 審査の傾向 | 創業計画書重視 | 厳しめ(実績重視) | 中(保証協会が保証) | 比較的早い・来店不要 |
| 創業期の使いやすさ | ◎ | △ | ○ | ○(条件次第) |
| 向く人 | 創業者・低金利重視 | 実績ある事業者 | 地域の創業者 | 急ぎ・つなぎ資金 |
出典:日本政策金融公庫 公式および各社公開情報(2026年6月24日確認)。金利・限度額・条件は時点により変動し、実際の適用は審査により確定します。最新の条件は各機関の公式情報をご確認ください。
創業期・赤字でも狙えるのはどれ?
実績が乏しい創業期や、赤字の時期に最も現実的なのは日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。
- 自己資金要件が撤廃:制度上は自己資金ゼロでも申込可能(ただし審査上はあった方が有利)。
- 原則無担保・無保証人:代表者の個人保証も不要で、創業者の資産を守りやすい。
- 返済期間が長め:設備資金は20年以内、運転資金は原則10年以内(据置期間あり)で、立ち上げ期の負担を抑えられる。
- 審査は「創業計画書」で決まる:過去の実績より、事業計画の説得力が重視される。
スピード重視なら「オンライン融資」という選択
「公庫の審査を待つ時間がない」「来店せずに完結したい」なら、オンライン完結型の事業者向け融資が候補。決算データ等をもとにスピーディに審査でき、つなぎ資金の確保に向きます。金利は公庫・銀行より高めになりやすいので、必要額と期間を絞って使うのがコツです。
代表的なものに、三菱UFJ銀行の中小企業向けオンライン融資「Biz LENDING」など、銀行系のオンライン融資サービスがあります。各サービスの金利・限度額・対象は公式サイトで最新情報を確認しましょう。
融資が「間に合わない・通らない」時の選択肢
融資には審査と時間が必要で、「今日・今週中にお金が要る」場面には間に合わないことがあります。また赤字や税金滞納で融資が通りにくいことも。そんな時の現実的な代替がファクタリング(請求書の早期現金化)です。
- 最短即日:未入金の請求書があれば、オンライン完結で当日現金化も狙える。
- 借入ではない:負債が増えず、信用情報に記録されない。
- 審査は売掛先の信用が主役:自社が赤字・開業初年度でも通る可能性がある。
ただし手数料は融資より割高なので、恒常的な利用は避け、一時的なつなぎに限定するのが鉄則。融資と役割分担させて使うのが賢い方法です。
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※融資とは仕組みが異なります。手数料・条件は審査により確定します
🔍 ファクタリング各社の手数料・スピードを比べたい人は、比較記事へ。
👉 個人事業主・フリーランスのファクタリング比較3選|手数料・入金スピードで選ぶ
👉 審査が不安な人は「ファクタリングの審査|通りやすくするコツ」も
融資審査を通す3つのコツ
とくに公庫の創業融資は「創業計画書」で評価がほぼ決まると言われます。準備で差がつくポイントは次の3つです。
- 創業計画書を具体的に書く:売上根拠・資金使途・返済計画を数字で示す。「何にいくら使い、どう返すか」が明確なほど通りやすい。
- 自己資金を用意する:要件は撤廃されたが、審査では「本気度」の指標として依然重視される。必要資金の1〜3割が目安とされる。
- 資金繰り表・試算表を整える:入出金を見える化し、返済可能性を示す。日頃から会計ソフトで記帳しておくと、必要書類をすぐ出せる。
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よくある質問(FAQ)
Q. 「新創業融資制度」はもう使えない?
A. 2024年3月末で廃止されました。現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」に一本化され、自己資金要件の撤廃や返済期間の延長など、むしろ使いやすくなっています。
Q. 自己資金ゼロでも融資は受けられる?
A. 制度上は可能です(自己資金要件は撤廃)。ただし審査では自己資金が「本気度」の判断材料になるため、用意できる範囲で準備したほうが有利です。
Q. 公庫と銀行、どちらに先に相談すべき?
A. 創業期は、創業計画書で評価される公庫(新規開業・スタートアップ支援資金)が通りやすい傾向です。実績が積み上がってから銀行・信金のプロパー融資を狙うのが一般的な流れです。
Q. 融資が間に合わない時はどうする?
A. 未入金の請求書があれば、ファクタリングで最短即日の現金化が狙えます。借入ではないため信用情報にも影響しません。詳細はファクタリング比較記事へ。
まとめ|「金利×スピード」で選び、準備で審査を通す
事業融資は「低金利だが遅い(公庫・銀行)」か「金利高めだが速い(オンライン融資)」かでまず絞り込み。創業期なら公庫の新規開業・スタートアップ支援資金が本命です。審査は創業計画書と整った会計データで決まるので、日頃から数字を見える化しておくことが近道。そして、どうしても間に合わない時はファクタリングという選択肢も持っておくと安心です。
💡 運営ポリシーおよび免責事項
本記事は2026年6月24日時点の日本政策金融公庫および各社の公開情報をもとに作成しています。融資制度の内容・金利・限度額・条件は変更される場合があり、実際の適用条件や審査結果は各機関の個別審査により確定します。本記事は融資・資金調達の利用を強制するものではなく、特定の結果を保証するものでもありません。お申し込み前に必ず各機関・各サービスの公式情報をご確認のうえ、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
この記事を書いた人:K_YOSHIDA(薬剤師)
薬局という実店舗の運営・売上管理に5年以上従事。店舗でAirレジを3年使用し、初期設定から運用まで担当。店舗DXは一次体験、お金まわりは公式情報を検証して解説しています。運営者情報の詳細はこちら


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